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こんにちは、こちき(@kochiki_)です。
11/23(月)、東京都練馬区にある「白瀧呉服店」で歌舞伎イベントがあったので行ってきました。実際に歌舞伎役者が実演を交えながら講演してくれるイベントだったので、かなり痺れました。やっぱり歌舞伎は面白い。
歌舞伎役者が案内する歌舞伎演目のツボ
白瀧呉服店が開催している、和の伝統・文化・芸術を気軽に楽しむ為のイベント「霜月の会」。今回、そのイベントの一つとして開かれたのが「歌舞伎役者が案内する歌舞伎演目のツボ」です。以下、詳細
- 主演者:歌舞伎俳優 中村蝶之介
- 時間 :18時30分開演
- 料金 :3000円(和装500円引き)
- 定員 :50名
中村蝶之介プロフィール
▼立役。中村又五郎一門。昭和51年生。平成10年国立劇場第十四期歌舞伎俳優研修修了。5月歌舞伎座『野晒悟助』の町人の男ほかで初舞台。11年1月歌舞伎座で中村蝶之介を名のる。
ポイントは、なんといっても歌舞伎俳優の中村蝶之介さんが講談してくれるというところ。本物は凄かった。会場はこんな感じ。
着物と歌舞伎の300年を並べてみる
内容は、江戸時代初期からの着物の歴史を歌舞伎の歴史とリンクさせながら紐解いていくというもの。時代の移り変わりと共に人々の概念が変化していき、時代背景が着物に表現されていく。
歌舞伎の演目も時代の変化と共に衣装が全く変わっていきます。当時の時代背景がエッセンスとして歌舞伎で表現され続けているので、衣装に着目すれば歌舞伎をより一層楽しむことができるという話でした。
実演あり、生台詞あり
歌舞伎初心者でも分かりやすいように有名演目をテーマにした話が中心だったのですが、なにより感動したのが実演や生台詞を交えるところ。
実演
例えば「丹前六方(たんぜんろっぽう)」の実演。武士の派手な文化を象徴した力強い感じを表現しているという事で実演してくださいました。逆に「藤娘」では艶やかな演技にガラッと変わります。至近距離で見ると圧巻。滑らかな動きに見えるけど、動作の一つ一つに凄い力が必要だというのが見ててわかります。「寸分の狂いもない」とは正にこの事。圧倒されました。
台詞
台詞も聴かせてくれました。「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」の最後のシーン。こんな至近距離で聞いたの初めてです。1等席に座って見てみたいな。
アーティストの生歌に感動するのと同じで、歌舞伎役者の生台詞は至近距離で聞くと全身に鳥肌が立つ。歌舞伎の一等席が埋まるのは、演者の顔や動きが見たいという理由だけじゃない。演者の声に痺れたいという側面もあるのかもしれない。そう思った、昨夜の霜月の会。#歌舞伎 #霜月の会
— Kochiki (@kochiki_) November 24, 2015
「意気」と「粋」
意気から粋への変化
お話の中で度々取り上げられたのが「意気」と「粋」の違い。
男性は、江戸時代初期の【戦う男は格好良く、武士の派手な文化で強いイメージの「意気」】から江戸時代後期の【争いが無くなって、男が女性化していく事で生まれたお洒落な格好良さの「粋」】へと定義が変わっていきました。争う必要の無くなった男性は服装で意気がる必要が無くなったんですね。また、染色技術の発達により、着物も江戸時代後期からはシンプルでお洒落になっていきました。
女性の着物も同じです。きらびやかな装飾が施される時代から、ちらっと裏地から見える模様がお洒落になる時代へと変化。江戸時代初期と比べると模様がどんどん裏にいったり少なくなっていくらしいです。歌舞伎の衣装も、演目の時代によって派手さが全然違います。男の意地や女の粋が表現されているということです。
現代のファッションも同じ?
若い頃は「意気」を意識して、より色合いの強いものを選び目立とうとする。年を重ねると、さりげない格好良さを追求する「粋」へと変化していきファッションもシンプルに。蝶之介さんの話は今のファッションとも重なる部分があるのかもしれないと感じました。
まとめ
講演は約一時間半で終了。中身濃すぎてお腹一杯になりました。いやー面白かった!
歌舞伎の楽しみ方は様々。奥が深いと言うけれど、何処まで奥が続くのか。これからも色々な楽しみ方を探っていきます。また霜月の会で歌舞伎イベントがあれば参加します。ではまた。